邪魔者は退散しようと綾女のところに歩き出そうとした時だった。 「…え…?」 驚いて思わず声が出てしまった。 北村さんの所に行くとばかり思っていたチャラ男先輩は、私の頭から自分のブレザーをかけてきた。 なんで? なんで私に優しくするの? 「…これする相手、私じゃないです。間違えてますよ」 私はかけられたブレザーを取ろうと手にとった。 でもそれをチャラ男先輩は私の手に手を重ねることによって制した。