「今日はそのだんご虫に免じて、このくらいにしといてやるよ」


「良かったね〜、運強くて」


「次はそのだんご虫みたく、ちゃんと髪黒くしてきてね」



武井りか、徳永早苗、時田花織の順に言いたいこと言って、3人は去って行った。



李ちゃんは3人が見えなくなるまで見つめていた。



李ちゃんはどうしてそんなにも強いの?



何の躊躇いもなくあたしを助けに来て、自分を犠牲にして。



怖くないの?
こういう風に自分を傷つけて。



黒いペンキを持ち出されただけであたしは怖くなったのに。



どうしたら李ちゃんみたいに強くなれる?



どうしたら李ちゃんみたいに夕里に気を引かせることが出来るの?



あたしはいじめられることでしか夕里に気を引かせられない。



ねぇ、夕里。どうして李ちゃんなの?



【side end】