病室内は沈黙が続く。



北村さんの病室にいるのは、私と北村さんと斎賀くん、そしてりか達。



私は意を決して口を開いた。



「…北村さんはどうして私を夕里から遠ざけようとしたの?」



北村さんはチラッと私を見て、また下を向いた。



「…あたしは夕里が好き。
独りぼっちだったあたしを見つけてくれて、手を差し伸べてくれたから。

夕里にはあたしだけを見て欲しかった。

それなのに夕里は李ちゃんばかり見ていて、李ちゃんが妬ましかった。

だから悪さをして目立ってる武井先輩達を金で釣って、李ちゃんから夕里を遠ざけようとした。

…ほんと最低なことをしてたのね、あたし」



自嘲の笑みを浮かべる北村さん。



北村さんはりか達に「ごめんなさい」と謝っている。



りかは「別にアタシ等もどうかしてたし」と許しているようだ。



良かった。
この4人が話すようになれて。



でも一つ引っかかることがあった。



北村さん夕里のことが好きだから私を、夕里から引き離そうとしたのは分かった。



でも……