【side 綾女】
「……はぁ」
病院の屋上に着いて一息。
北村さんを見ていたらなんだか昔の自分を思い出して、ムカついてきた。
だからガツンと言ってしまった。
まぁ、私が言ったことはほとんど李に言われたことなんだけどね。
でもなんだかスッキリしたのも事実。
あの時の自分も救われたみたいで。
ガチャッ
屋上のドアが開いてやってきたのは尾口先輩だった。
「…先輩……」
李だな。
李が追いかけて下さいって言ったんだ。
先輩はすごく心配そうな表情を浮かべてる。
あんな怒ったとこ見せちゃったからな。
さすがに気にするか。