「あたしが死んだら悲しむ人?
そんな人いるわけないじゃない!!
だから死のうとしたんでしょ!?
あたしがいなくたって、悲しんで泣いてくれる人なんてどこにもない!
あたしは独りぼっちなんだから……!」
段々声を荒げる北村さん。
"独りぼっちなんだから……!"
北村さんのこの言葉が胸に深く突き刺さる。
同じだ。
あの時の綾女と同じことを言ってる。
「お、おい!綾女!!」
綾女は尾口先輩の押さえを力で振りきり、グッと北村さんに顔を近付けた。
「どこを見てそれ言ってるの!?
あなたが死んで悲しむ人なら目の前にいるじゃない!!
これを見てもまだそんなこと言えるの!?」
「……え……?」
綾女はビシッと音が出そうなくらい勢いよく指差した。
北村さんは目を見開いてその人物を見た。
そこには慌てて駆けつけた斎賀くんがいた。
彼はさっきまで別室で熟睡してたから、そっとしておいた。
斎賀くんは目を覚ました北村さんを見て、拭うことも忘れて涙を流している。
綾女はベッドから降りて、道を作った。
斎賀くんはそのまま北村さんのベッドサイドまで近付いて、膝をついた。



