それからお母さんにも事情を話して、病院に泊まると電話した。
お母さんはすごく心配してたけど、大丈夫と一言いうと安心していた。
病室を覗くと、北村さんはまだ眠っていた。
根元さんによれば、恐らく目が覚めるのは朝になるとのこと。
それまで私は根元さんが用意してくれた部屋を借り、みんなで仮眠をとった。
根元さんが言った通り、北村さんは早朝に目を覚ました。
何も言葉が出なかった。
それほどまでに北村さんは虚ろな目をしていた。
目が覚めても、全く嬉しくなさそうだった。
「…北村さん!目が覚めて良かったよ…!」
ベッドを起こして起き上がってる北村さんに話しかける。
でもしばらく北村さんは返事をしなかった。
ただ下を向いてジッと動かなかった。
動いたと思えば包帯の巻かれた左手首を見つめて、点滴を見た。



