「………紗奈………っ!!」



2階から斎賀くんの叫び声が聞こえた。



私と綾女は顔を見合ってから、慌てて声のする方へ向かった。



たくさんの部屋がある中、一つだけドアが開いていた。



そこは北村さんの部屋で、部屋に入った瞬間にゾッとする光景が目に入った。



「……き、北村……さん?」



可愛い桃色のハートのカーペットに広がる赤い血。



カーペットの半分が赤くなってる。



北村さんは壁に寄りかかり、グッタリとしている。



唇の色が青くなってきている。



出血先は左手首。
手首には切った跡があり、その近くにはカッターが置いてある。



「…紗奈!おい、紗奈!!」



斎賀くんは必死に北村さんの名前を呼んでいる。