次の日。
本当に持ってきてよかったと思った。
白いニットのタートルネック。
「…李、もしかしてこうなることを予想してその服持ってきたの?」
隣に座ってからかうような目つきで私を見る夕里。
誰のせいでこんな暑い服装してると思ってるんだ。
という気持ちを込めて夕里を睨む。
私と夕里は今、美夕紀さんが運転する車の中。
空港に向かっている。
昨夜、夕里が調子に乗って跡をたくさんつけるから、私の首筋や胸元はすごいことになっている。
これを他の人に見られたら、いかにもあいつらやったな的な目で見られるのは必須。
それを隠すようにして、私はタートルネックにショーパンという服装をしてる。
足には跡がないから安心。
「…でもこれでしばらくは跡とれなさそうだから、安心だよ」
跡とか美夕紀さんの前で言わないでよね。
と思ったけど、美夕紀さんは最早ニヤけてるから夜に何があったか分かってると思う。
お母さんも朝から『どうだった?』なんてメールよこすし。
はぁ、もうやだ……