ドンッ



武井りかの右にいたギャル系の濃い化粧をした先輩、徳永早苗(とくながさなえ)があたしの顔近くの壁を蹴った。



あたしの目は自然と音のした方へ移動して目を見開く。



「その言い訳、もう聞き飽きたんですけど〜」



聞き飽きた?
それはこっちのセリフなんだけど?



あなた達のいじめ文句、聞き飽きたんですけど?



何が可笑しかったのか知らないけど、3人は一斉に下品な笑い声をあげた。



そしてあたしの髪を掴んでる武井りかがグッと顔を近づけてきた。



「それにアンタ、芹田夕里の昔からのダチとか言っていつも近くにいるんだろ?学校一人気者のモテ男の近くにいれば、ウチらに狙われないとでも思ったぁ?」



その言葉ももう聞き飽きた。
夕里とは幼なじみだからよく話してるだけだってば。