でもそんなこと考える余裕がなくなった。



「…李が、北村さんが先輩に呼び出されたこと聞いて急に駆け出して行って…きっと北村さんを助けに行ったんです!

お願い!李を助けてください!私もう李の傷つく姿見たくないの!」



俺に縋りつくようにして俺のブレザーを掴む栗丘さん。



事は一大事だけど、どこか安心してる自分がいる。



李、君もちゃんと守られてるって分かったから。



誰かを守るだけじゃなく、誰かに守られてること知ったから。



栗丘さんの肩に優しく手を置いた。



「…行こう」