でもその手もあっさりと握られて、指を絡めてきた。
手首を掴まれていた手も指を絡めるようにして握られ、抵抗することが出来ない。



長いキスがどんどん深くなっていき、押されるようにベッドへと倒れる。



ベッドに倒れると夕里の唇がゆっくりと離れた。



長く深いキスのせいで息が荒くなる。



私と同じく息の荒い夕里は、至近距離で真っ直ぐに見つめてくる。



「…言うの遅くなったことについては謝るよ。ごめん。

原崎さんのことから立ち直ってまだ日が浅いのに俺が遠くに行くなんて聞いたら、李また落ち込んじゃうかなって思うとなかなか言い出せなくて…」



私の脚の間に夕里の脚が挟まる。
それが気になったけど、今は夕里の目から離れられない。



「でも武井さん達のことを助けようと必死になってる李を見て確信したんだ。もう大丈夫だろうって。

今の李なら俺が少しの間遠くにいても、強くいられるだろうって思ったから留学のことを言ったんだ。

留学のことを話したの李が一人目なんだよ?
航平にだってまだ留学すること、言ってないんだ」



私のために?
夕里は私のために言うタイミングを見ていたってことなの?



言うのが遅いよとか言ったけど、夕里は私のことを考えてこのタイミングにしたんだ。



こんなにも夕里に想われてるんだ、私。



そう思うと胸の奥の熱いものが涙となって溢れ出す。



泣くなよ?
夕里は苦笑いして両手を引っ張って私の体ごと起こして、涙を拭ってくれる。