「君を一目見て分かったよ。
彼なら、夕里くんなら李を変えてくれるかもしれないとね。
私が思った通り、君は李を変えてくれた」



ありがとう。
お父さんは深々と夕里に頭を下げた。



「そ、そんな!頭を上げてください!
俺はすもも…李さんを変える手助けをしたまでです。
変わろうと思ったのは彼女の意思です」



夕里は慌てて立ち上がってお父さんに頭を上げるように言っている。



自分は手助けをしただけって言ってるけど、ほとんど夕里が私を変えてくれた。



夕里がいなかったら、きっと私は今も彼方が死んだことのショックで立ち直れてなかった。



私がこうなれたのは全部、夕里のおかげなんだよ?



お父さんはやっと頭を上げた。
それにホッと息をついて、夕里はまた座った。



そしてまた夕里はさっきよりも力強く、私の手を握った。



何かを言う決意が固まったように見えた。



「…いきなりなんですが、俺は李さんと結婚したいと考えています」



え、け、結婚……!?



その言葉に驚き、夕里を見た。
夕里は私を見ずに真っ直ぐお父さんを見ている。



私の手を握る夕里の手が、若干震えていた。



「…まだ李さんとお付き合いして半年しか経っていませんが、それ以上に李さんと一緒にいました。

その時はまだ結婚なんて考えていませんでしたが、李さんと付き合って確信しました。
俺には李しかいないって。李と一緒になることしか考えられないって」



最後はさん付けがなくなってるけど、それどころじゃない。



今度は私の頭の中がパニック状態になっている。