「…あれ、今日はお父さんなんだね?」
水色のワイシャツを着て、ベージュのチノパンを履いた姿はお父さんだった。
お父さんは振り向いてニコッと笑った。
「…あぁ、そうだよ。
今日は店が休みだからね。パパdayだよ」
両手を広げて全身を見せるお父さん。
その能天気な笑顔に呆れてため息しか出てこない。
いきなりお父さんになるとビックリするからやめて欲しいのに。
そんなお父さんに手を振って家を出ると、小走りで公園に向かう。
砂場にブランコに滑り台にジャングルジムとシンプルな公園に到着。
そこには夕里が既にベンチに座っていた。
「…ゆ、夕里……!」
名前を呼ぶと夕里は顔を上げて微笑んだ。
そしてベンチから立ち上がると笑顔で両手を広げた。
夕里の行動に足が止まったけど、やがてまた歩いて夕里の元へと向かう。
段々駆け足になると、そのまま夕里に抱きついた。
いつも夕里はこうして私から抱きついてと言わんばかりに両手を広げてくる。
付き合い出してから何回夕里に抱きついたか数えきれない。
「……李、いい匂いする」
私の髪に顔を寄せてスンスンとジュリエットみたいに匂いを嗅がれる。
「…ね、寝癖がひどかったから髪洗ってきたんです」
夕里はなるほどと言ってまた匂いを嗅いでいる。



