するといきなり頭の上に先輩の手が置かれた。
驚いて先輩を見ると、先輩の手は私の頬へと降りてきた。
「李ちゃんを助けたいのは分かるけど、体調悪くなるほど無理すんなよ?
あと、俺にも頼れよ。
綾女のためなら何でもするから…」
先輩の表情はどこか悲しそうで寂しそうだった。
芹田先輩に助けを求めたから、嫉妬してるの?
ううん、そんなわけないか。
だって先輩のこと夏に振ったもん。
でも私を見る目つきはすごく真剣で、ドキッとしてしまう。
「き、気安く触らないでくださいっ!」
顔が熱くなって、布団に潜って隠れる。
あんな真剣な目で見つめられたら、誰だって恥ずかしくなるよ。
でも先輩が気になって布団から目だけを覗かせる。
私の視線に気付いた先輩は、触らないでと言ったのにまた私の額を撫でる。
「…もうちょっと寝とけ。
起きるまでここにいるから」
優しく微笑まれ、前髪を梳かれる。
先輩の手の温もりが異様に心地よくて、今度は触らないでなんて言えなかった。
先輩の温もりを感じながら、私はまた夢の世界へと旅立った。
次に目が覚めた時、さっき見た夢が正夢になりますようにと願いながら。
【side end】



