「…綾女はどうして自分を犠牲にしてまで、李ちゃんを助けたいんだ?」
「……え?」
先輩は心配そうな表情を浮かべて私を見ている。
自分を犠牲……
そんなこと考えてなかった。
とにかく李に元気になってもらおうと必死だったから。
だって李は……
「…李は私に生き続ける大切さと、死ぬことの虚しさを教えてくれた、私の命の恩人ですから」
あの時の私はどうかしてた。
過去から現実から逃げたいばかりに、この世から消えようとした。
李が怒鳴ってくれなかったらきっと私は今、こうして先輩と話していない。
私が今、生きているのは李のおかげなの。
だから李が元気になったら、全てを話そう。
私が北村さんとあの先輩達に脅されたこと、そのために芹田先輩と李を引き離したこと全部。
それで私の間違いを李に怒ってもらおう。
自分の過去を受け入れて、今を生きて行く。
芹田先輩の諦めない想いを感じてそう決意した。
悲惨な思い出したくない過去をばら撒かれても、私は私らしく生きて行くんだ。



