だんご虫ヒーロー。




「そう、夕里先輩だよ。男から女の子の部屋を開けるのは失礼だと思うから、ドア開けてくれる?」



ダメ元で頼んでみた。



きっと開けてくれないだろう。



今は先輩に会いたくないです。帰ってください。
そう言って俺を突き返すに決まってる。



でも予期せぬ結果がやってきた。



ガチャ



ドアの鍵を解除して、ドアがゆっくりと開いた。



まさか李が自ら開けてくれるなんて…



更に驚いたのは李の痩せた体と、虚ろな瞳。



一週間ろくに食事をしてないのか、ただでさえ痩せた体が更に痩せている。



そして何もかもを失ったかのような、虚ろな目。



俺を見ることなく、李はドアノブに手をかけ俯いている。



彼を亡くし、生きることに意味をなくしてしまった李を見て、思わずギュッと抱き締めた。



「……せん……ぱ、い…?」



掠れた李の声が小さく聞こえた。
きっと驚いているんだろう。



俺の背中に腕を回すことはなく、李はただ俺に抱き締められている。