やだと思う度に涙は次々と目から流れ落ち、頬を濡らしていく。



彼方が痩せてきてたのもこの時のための兆候だったってこと？



もう彼方とは一緒にいられないの？



「……も……も……」



名前を呼ばれて自然と顔が上がる。



彼方の手は私の頬に添えられる。



私はそれを支えるようにして、彼方の手の上に手を重ねた。



「……ん……？」



流れる涙を止めることなく、彼方を真っ直ぐに見つめた。



「……わら、って……？いつも…みたいに……」



こんな時に何言ってるの。



笑えるわけないのに…



でも私の泣いてる顔なんてみたくないんだよね。



ももは笑ってるのが一番だっていつも言ってくれたよね。



止まらない涙を服の袖で拭って、無理やり涙を止める。



目元には少し涙が残ってるけど、大丈夫だよね。



私は顔を上げて彼方に笑顔を見せた。



どう？
ぎこちなくなってない？



ちゃんといつもみたいに笑えてる？