何してんの、あの子は。



はぁとため息をついて綾女を無視するようにして、前を通り過ぎる。



「え、ちょっと待ってよ!李!」



綾女は慌てて後ろから走ってきた。



今日は綾女のバイトがないから、一緒に彼方に会いに行く。



と言っても彼方が「綾ちゃんにも会いたい」っていうから、連れて行くんだけど。



「…てか私がお邪魔しちゃっていいの?
私がいたら2人でイチャイチャ出来ないよ?」



ニヤニヤと笑って私の顔を覗き込む綾女。



綾女は私と彼方のことからかうが好きらしい。
それはもう呆れてしまうくらいに。



だから最近はからかわれたら無視という方法であしらってる。



これは中々に効果覿面で、すぐに綾女は降参して謝ってくる。



そして今回も無視。



綾女は「…うぅ、ごめんって。無視しないでよぉ〜」と涙目で私を見てきた。



綾女は私に無視されるのが嫌みたい。



こういうやり取りをしながら学校を出て、向かったのは彼方の入院してる栄田総合病院。