「…今更俺がどう動いたって無駄だろ?
李は俺なんかに見向きもせず、彼に尽くしてるんだから」
何その元から諦めて、ぶつかろうとしてない言葉は。
自分が身を引けば、李ちゃんは幸せになる。
これで万事解決って言いたいわけ?
怒ってた感情が改めてフツフツと沸いてくる。
顔を上げて夕里を見ると、夕里は諦めたように笑ってる。
やめてよ、そんな表情しないでよ。
私が見たかったのはそんな夕里じゃない。
「……と……ら…よ…」
「……え?」
小声では聞こえなかったようで、夕里はポカンと口を開けて私を見てる。
その表情が余計に腹立たしくなる。
そう、聞こえなかったんならもう一回言えば聞こえるよね?
私は立ち上がって夕里の胸倉をギュッと掴んだ。
そしてグッと夕里に顔を近付ける。
「…いい人ぶらないでよ!」
夕里にこんなに怒ったのは初めてかもしれない。
夕里は目を大きく見開いて驚いてる。



