元気だった頃みたいに一緒に出かけたり、お泊まりしたり出来るんだ。
病院とかけ離れて生活出来るんだ。
また彼方とずっと一緒にいられるんだ。
そう思うと自然と笑顔になってしまう。
だから私が喜んでる姿を見て、彼方が頬を赤くしてるなんて知らなかった。
「…でもこの治療、副作用が強いらしくて…正直、不安なんだ。
だから出来るだけ、ももが来れる日にはここに来て欲しい」
私の肩に頭を乗せて、甘えてくる彼方。
いつもは私に甘えさせてくれてたけど、彼方から甘えてくるなんて珍しい。
嬉しいな。
彼方が甘えられる唯一の存在になれて。
「…うん、テスト終わったから毎日来るよ。
だから彼方はしっかり元気になってね?」
約束だよ?
私は小指を彼方に差し出す。
彼方はしばらく驚いて、私の小指を見つめる。
そしてふっと笑って、自分の小指を差し出して指切りをした。
私から彼方を約束事を言うなんて初めてだったから、きっと驚いたんだろうな。
でもこれで彼方が元気になってくれるような気がした。
約束するだけで、叶ってしまいそうと思う自分がいる。
約束通り、元気になってね?彼方?