「…それは李に恋人がいるってこと……?」
そんなこと思いたくない。
だって李はそんなこと一言も俺に言ってなかった。
「…その通りです。李には恋人がいます。
嘘だと思うなら、聞いてみてください。
きっと顔を真っ赤にして頷きますから。
彼は李が背負ってる傷を癒して、李を優しく守ってるんです。
私はあの2人が大好きで、離れて欲しくない。
だからあの2人の邪魔をしないでください!」
…なんだよ、それ。
頭がおかしくなりそうだ。
つまり李には俺と出会う前から恋人がいて、元から俺の入る余地なんてなかったってことだろ?
驚きとショックのせいで言葉が出ない。
そんな俺を綾女ちゃんは、更にショックに陥れる。
「…今まで李の傷を癒してくれたことには感謝してます。
でも李には先輩の癒しなんて、優しさなんて最初からいらないんです。
李を守るのは、彼だけで十分です。
先輩は必要ないんです」
必要ない、か。
…確かに俺は必要ないのかもな。
李が誰かに愛されてるのなら、誰かに守られてるのなら俺は要らないんだ。
俺が李を守ったところで、それは李にとって邪魔にしかならない。



