「…あいつがあたしを庇って、あたしは夕里に助けてもらおうと思ってたのに……!」
夕里?芹田先輩?
北村さんは独り言のつもりでも、目の前にいる私には十分に聞こえた。
もしかして北村さんは芹田先輩のことが好きで、助けてもらおうとしてあんな自作自演を?
どっちにしろ、私には許せない。
だって北村さんの自作自演のせいで、李の髪が犠牲になって、李にも大きな傷がついた。
"約束"を守れなかったという、大きな傷。
悔しそうにしてた北村さんもすぐに開き直って、不敵な笑みで私を見た。
「…栗丘さん、あれは自作自演だってこと、もちろん誰にも言わないよね?
誰かに言ったら、自分の過去が学校全員に知れ渡っちゃうよ?
もしこのことを誰にも知られたくなかったら、あたしに協力してくれるよね?」
……協力?北村さんに?
そんなのやだ、絶対にやだ。
「協力するのはあなたの自由。
でも協力しないなら、このプリントを大量にコピーして屋上からばら撒くだけだよ?」
協力しなかったら、私の過去が、あのプリントがばら撒かれてしまう。
やだ!それだけは絶対にやだ!



