「……先輩は何か困ってることとか、助けて欲しいこととかないんですか?」



え、私今なんて言ったの!?



言うつもりも考えたつもりもない言葉が口から出た。



さすがの先輩も驚いて私を見てる。



言った自分が一番驚いてます。



でも自分の言ったことに納得出来ないわけじゃない。



だって……



「…先輩はいつも私を助けてくれて、なのに私は先輩を助けてないなって思って…その、口が勝手にと言いますか……えっと……」



上手く言葉が出ない。



私の口のバカ。
何でいきなりアドリブを言うかな。



お陰で今の私はかなり焦ってる。



ふっ



焦っていると、先輩の笑った時に漏れた吐息が聞こえた。




驚いて顔を上げると必死に笑いを堪えてる先輩がいた。



え、私のどこかに笑えるところあった?



ただパニックにしかなってないけど…



すると先輩の顔が急に迫ってきて、また私の額に額をくっつける。



「…じゃ、助けて欲しいことじゃないけど、…一つお願い聞いてくれる?」



先輩はそう言って、怪しい笑みを浮かべた。



何かを企んでる予感は、的中することになる。