私、先輩に何言われたっけ...?



使えそうで使えない頭を精一杯使って、記憶を遡る。



あ...あの時の...?



先輩を見ると、私が思い出したのが分かったのか、ニコッと笑った。



先輩に髪をセットしてもらって雪菜ちゃんを追いかけようとした時、先輩に抱き締められて耳元で言われた言葉があった。



『...李、あと一つだけ、忘れないで......


李に何かあった時は、俺が必ず助けに行くから。どこにいても必ず』



先輩はそう言って私を送り出した。



ほんとだ。
ほんとに先輩は言った通り助けに来てくれた。



私を殴った相手を傷つけようとしてまで、私を助けてくれた。



ドキッ



胸の鼓動がうるさく響く。



...いい人すぎます、先輩。



そんなこと言ったら、いつでも先輩が助けてくれるって期待しちゃいます。



そうやってニコッて笑うのも反則です。