「…………なんでしょ！？」


「…え……？」



また考え事をしていたせいで、雪菜ちゃんが何て言ったのか聞き取れなかった。



聞き取れなくても雪菜ちゃんが怒ってる口調なのはよく分かる。



そんな冷静な私の思考回路を、次の雪菜ちゃんの言葉が打ち砕く。



「…李ちゃんも夕里のことが好きなんでしょ！？
だからこうやって振られるように協力して、私が振られていい気味って思ってるんでしょ！？」



なんで……
なんでそうなるの？



そんなこと思ったことないのに…



あんなに純粋で一途な雪菜ちゃんがそんなこと考えるわけないよね？



きっと振られたショックで私に八つ当たりみたいになってるだけだよね？



「…お、落ち着いて、雪菜ちゃん…私の話を……」



雪菜ちゃんを落ち着かせようと、雪菜ちゃんの手を握る。



でも雪菜ちゃんは簡単に私の手を振り払う。



そして目から流れ出てる涙を腕でザッと拭い、鋭い目つきで私を見た。