喫煙スペースにはまだ拓の姿はなかった。 私は1人ベンチに座って赤く染まり出した空を見上げながら、何とも言えない寂しさのような切なさのような感情を覚えた。 それは終わろうとする夏のせいなのか。 それとも近くても遠い先生を思ってなのか。 これから離れなければいけない冬也を思ってなのか。 全ての感情が混ざり合いこんなにも複雑な思いになったのか。 今の私にはわかりもしなかった。