何とも言えない表情でポツリと呟いた先生。
キーン コーン。。。
私が答えようと口を開く前に大きくチャイムが鳴った。
『あの…』
やっとの思いで出した聞こえるか聞こえないか程の私の声は、まだ残るチャイムの音にかき消されてしまった。
私の口が動いたのを見て先生は首をかしげ、いつもの優しい笑顔で私の顔を見る。
でも何と答えていいかわからない私は何も言わず小さく首を振った。
すっかりチャイムの音が消え、先生が私の頭に乗せてた手をクシャクシャと動かした。
『さっ!今日はこれで終わり!行こっか?』
さっきの空気を吹き飛ばすような明るい声に、私も笑って頷いた。
