教官室から出てきた先生達が、次々に自分の生徒の名前を呼ぶ。


その先生達の後ろに真堀先生の姿が見えた。
手に持ったファイルを脇に挟んで顔を上げた先生。
私の方を見て、目が合うと真面目そうな声を出した。


『鈴本さん。』


『はい!』

隣に座る拓に背中を押され、私は立ち上がった。
振り向くと拓は小さくガッツポーズをして笑った。


少しだけ気が楽になって私も笑い返す。

『ありがとぅ!行ってくるな。』