『…だって、ちょっと目赤いし…顔がいつもと違ったから…』

少し掠れた声で、途切れ途切れに話す真堀先生。
私を見る目は悲しそうにも苦しそうにも見える。

『声だって、いつもと違うし…何かあった?』


私は何も言えず、ただ先生の目を見ることしか出来なかった。

だって、私が泣いてたのは30分以上も前だ。
それも、そんなに思い切り泣いた訳でもない。

きっと今の私の小さな変化は、拓や冬也でも気付かない程だと思う。

最近逢ったばかりの先生がそれに気付くなんて…
少し嬉しくなって、私は思わず笑ってしまった。