『海奏……』 俯いて動かない私の髪を、拓がそっと撫でる。 私は俯いたままで声を絞り出した。 『拓…。海奏、どうしたらいいんやろ…。』 拓は私の頭を撫でながら、優しく答えた。 『海奏は真堀先生が好きなんやろ?初めて本間に好きって思えたんやろ? なら俺は海奏に頑張ってほしいで!』 私は拓の言葉に驚いて顔をあげた。 拓は優しく微笑んでいて、涙が溜まる私の目を見てうなずいた。