『じゃぁ俺、教習あるし。またな!』 結城先生が教官室へ行くのを、拓と手を振って見送る。 でも私の視線はコースの中。 草刈りをしてる真堀先生の方に向いていた。 『海奏?どした?』 拓に肩を叩かれて、やっと真堀先生から目をそらした。 『えっ?何もないで?』 驚いて答える私の顔を拓がじっと見つめる。 しばらく私を見てから、今まで私が見ていた方を見た拓は、小さな声で呟いた。 『海奏、真堀先生のこと見てた?』