私は何事もなかったように笑い、拓の手を引いて店に入った。 何や… 何で真堀先生の顔思い出したんやろ…? ってか心臓おかしない? 海奏、何かどっか悪いんやろか…? ウォームアップをしてもそんな事ばかり考えて身が入らない。 そんな思いをかき消そうと大きな声を出す。 『拓!この曲やろ!』 私は頭の中のモヤモヤしたものを振り払うように必死で踊った。