僕は今まで慎ましく、そして真面目に生きてきた。


 全てはこれからの輝かしい未来のため。

 僕は決して派手では無くとも、確実に安定した平和な人生を送るんだ。





 彼女?そんな地球外生命物体じみた代物いらない。

 童貞だからってなんだ。ヒトは動物とは違う。理性ってもんが備わってるんだ。


 僕の人生にピンク色の甘ったるいオプションはいらない。


 それは、高校2年生に進級した今でも変わらなかった……はず。







〇〇〇





 学校に着き、下駄箱で上履きに履き替えた僕は、廊下の壁に貼ってあるクラス編成を見た。


 自分の名前は2年3組の枠に記されていた。

 別に友達はいないから、クラス替えごときで喚いたり悲しんだりってことはない。



 だがしかし、予想外にも深刻な問題が発覚したのだった。