前も後ろも、どこまでも続く、並木道だった。


そして、やがてその視線が真後ろにたどり着いた時、やっとその存在に気がついた。




この薄桃の中に際立つ、真っ黒で真っ直ぐな髪で朗らかに笑う、男性が立っていた。

はるかは息を呑んだ。
綺麗な人だった。とても、優しい瞳をした人だった。

はるかを愛おしいそうに見つめて、微笑み、呟いた。



「みつけた。」



景色が柔らかな温かい音をたてて崩れていくのを、はるかは感じた。

また、強い風が吹き、はるかは髪をおさえて目を伏せた。

遠くから、蝉の鳴き声や夏の蒸し暑さが帰ってきているのを感じた。


はるかはゆっくり、ゆっくりと瞼を持ち上げて、目を見開いた。