はるかは今日、夏休みを向かえた。
終業式を終えた帰り道、日は真上から燦々と降り注いでいる。
「暑い。」
はるかはこんな暑い中で、まだ自分の頭の中を埋め尽くしている、さまざまな考えが邪魔で仕方がなかった。
「受験、受験受験受験受験受験って、うるさい。」
そうだ、中3になった今、夏休みとは大事な時期で、はるかは周りからのそんな圧力が嫌で嫌で仕方がなかったのだった。
それはまるで、こうしてまとわりつく暑さや汗や騒がしい蝉の声のように。
はるかはまた息苦しくなった。
はるかの体調はいつも精神状態に左右される。
頭が痛くなり、息苦しくなり、吐き気がして、目眩がし、やがて過呼吸になることもあった。
