「はるかサンの過ごしている日常の普通、ってどんなものなの?」



海咲は聞きたい内容を明確にして、同じ内容の質問を再びぶつけた。

はるかは、押し黙ってしまった。

言いたくなかった。たとえ海咲がはるかを知っていたとして、はるかにとって海咲は初対面の他人に違いはなく、はるかにとってその内容は、とてもじゃないが他人に話せるものではなかった。


俯いて黙ってしまったはるかに、海咲は悲しい表情を浮かべると、はるかの頭をポンポンと撫でた。



「ごめん。言いたくないから、普通だって答えたんだもんね。まだ、僕には言えないよね。」



はるかは、海咲の言葉に心の中で『この人は、きっとズルい人だ。』と呟いた。

何故かは分からない。だけど、海咲の紡ぐ一つ一つの言葉に、はるかは答えてあげたいと、そんな気持ちにさせられた。