紅の蝶【完】







『……ンフフフッ…びっくりですか?血だらけのピアノ……』




華音の“無”の声が俺たちの胸に突き刺さる。






『……私はね…3年間、ここに閉じ込められていましたの。』





……!?





嘲笑うように華音の口角が上がった。




『3年間…ずっとずっと1度も外に出ることなくこの洋館にいたの。哀れでしょ。』





華音の血だらけの指がまたピアノを叩く。