紅の蝶【完】






『壱帆さん…それはちょっと…。』




胸元が大きく空いた上に短すぎるすぎる丈の黒いワンピース。





えーそう?と言いながら元の場所に戻す壱帆さん。




服…か。




洋館にいる間はあの人が時々送ってくる地味なワンピースだった。




首から足首まで隠れるような。



なんて昔のことを思い出しながら店内をふらふらする。




何回か壱帆さんは私に服を差し出す。




まぁ、どれも…。