紅の蝶【完】






ガラガラッ




「おぉおぉ、華音さん、改めていらっしゃい」





……?



さっきの組長さんよりさらに優しくなった気がする。





「おい、華音。泣いたのか?」




翔輝が私の方に歩いてくる。




『え、あぁ……まぁ。』




「お袋になんかされたのか?」





「ちょっと!!なんで私が華音ちゃんをいじめなきゃいけないのよっ!!」





……あぁ。





幸せだな…。




幸せな家族だ。




そう思ったらまた涙が流れた。