紅の蝶【完】







「組長、若がお見えです。」




琉聖が俺を“若”と呼ぶのは組長の前だけだ。





「おぉ。来たか来たか。」




愉快そうな父親の声が聞こえた。




華音は俺の横で嬉しそうに笑っていた。





本当に……





周りの存在を消している。






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