やっとの事で、光を呼び出すことが出来た。

 そして俺と瀬希は「あの!俺らふたりともお前のことが好きなんだ。だから、付き合ってくれない??」

 最初に口を開いた瀬希は頬を赤めて言った。

 「ごめん・・・。私、二人とは付き合えない。 二人だって噂で聞いてるんでしょ?私は男の子が苦手って、」

 「うん。それは知ってる、でも俺らあきらめきれなくて。」

 「ごめんなさい・・・・。」


 最後の「ごめんなさい」を残し、光は立ち去ってしまった。

 そこで、瀬希が口を開いた。

 「まぁ! 告れたんだし、 もういいんじゃないか? 俺はさ、めんどくさい事ぐだぐだ悩みたくないからさ、がんばって光をあきらめるよ。」

 「あっ・・。うん・・・・。」

 俺たちの恋はこんなんで終わってしまうのか?なんてかっこつけて言ったって仕方ない。

 ここは瀬希の言うと通りにした方がいいのかもしれない。

 そうも、思ったけれどやっぱり俺はあきらめきれない。

 瀬希はこれで終わりかもしれないけど、俺はまだだ、
 
 いや、俺にとってはスタートなんだ!

 そう考えているうちに、日はくれていた。

 瀬希と一緒に通学路を歩いていると、子犬が俺たちに向かって泣いていた。

 俺と瀬希は顔を見合わせて微笑んだ。