ぐいっ
「ぅえっ……
せ、瀬川君……?」
「ここじゃ目立つ。あっちで話聞いてやるから。」
「い、いいよ…大丈夫だから…」
「どこが大丈夫なんだよ。んなぼろぼろ泣きやがって。俺が泣かせたみてぇじゃねーか。」
「っ…ごめんなさ」
「弘人のことだろ?
話聞くから、黙って着いてこい。」
ーーーーーーー
ほとんど人が通らないであろう、非常階段のところまで連れてこられて
誰にも話したことのない、あの日のこと
昨日のこと、今日のこと
全部話した
「要するに…あんたはずっとそのコウ君ってのを好きだった。
けど高校入って弘人に会い、その弘人が初恋の相手と重なっていた。
で、その弘人にいつの間にか惹かれていた。そしたらなんと、初恋の人と同一人物でした。
ってことだろ?」
「うん……」
「で、なんでか知らねぇが急に距離を置かれた、ねぇ…」
「…うん……」
なんか意外…
すごく真面目に話を聞いてくれた
最初は『全部話せ』ってオーラが物凄く怖かったけど…

