たとえば、1日経っても、メールの返信がないとき。

深夜の電話が、繋がらないとき。

次の約束もなく、家路に着くとき。

話題が、仕事一色に染まるとき。

きっかけはいつも、些細で・・・私の心を不安で一杯にするには、十分な出来事。

「おうじ様とおひめ様は、いつまでも幸せに暮らしました」

童話の結末に詠われる「永遠」を信じなくなったのは、いつだった?

颯太のことを想うほど、理由もない不安に、押し潰されそうになる。

彼の気持ちを、確かめずにはいられなくなる。

不器用な私は、別れを切り出す以外に、その術を知らなかった。