いとしいこどもたちに祝福を【前編】

「…せめて、誰か一人だけでも」

「大丈夫。それに…誰が月虹と繋がってるか解らないからね」

「……だが晴海ちゃんは…」

ふと周の顔を見上げると、心配げな緋色の眼と目が合わさった。

「…私が無理を言って同行させて貰うことにしたんです。陸と、弟を助けたくて…」

「いくら晴海ちゃんと似ているらしいとはいえ、僕は風弓くんに逢ったことがないしね。彼を助け出すにはきっと、彼女も一緒のほうがいいって感じるんだ」

「?」

“感じる”――

少し意味深長な言い方をした京を見つめるが、相手はこちらの視線に気付いても微笑むだけだった。

「…お前がそう言うんなら、そうなんだろうなあ」

その言葉に、周も妙に納得したかのように引き下がる。

「有難う、父さん」

「それでも死ぬ程心配なことには変わらないけどな」

周は苦笑しながら席を立つと、京の傍まで歩み寄った。

そして自身にするのと同じように、京の髪をわしわしと粗っぽく撫でた。

「行ってこい、兄ちゃん」

「…行ってきます」