いとしいこどもたちに祝福を【前編】

「君たち本来の意思じゃないのは解ってる。それに、僕の弟を月虹から助けるために協力して欲しいんだ」

京が首を振って笑い掛けると、茜が動揺したように眼を細めた。

「陸を…?じゃああいつは、月虹に連れ戻されたのか」

「…あたしたちに出来ることがあるなら、協力するよ」

すると葵が、意を決したように京にそう告げた。

「…有難う、そう言って貰えると助かるよ。ところで君たちは――彼女が誰だが解るかい」

不意に京がこちらに視線を向けながら語り掛けると、二人の双眸が続いてこちらを向いた。

「風弓?じゃ…ないな」

「あいつの…片割れ?」

やはり、互いに面識はあるようだ。

しかし風弓が、相変わらず自分と見間違われる程に似ているらしいことに驚いた。

「その風弓くんと彼女の、父親のことを訊きたいんだ」

「!」

「弟から聞いた話では、彼は月虹の能力者たちの健康管理をしていた医療班の一員らしいけど…本当にそうなのかい?」

医師であった父が医療班として月虹に参加――それが一番自然且つ適した参加理由の筈だ。

京は何故それに疑問を抱くのだろう。

「違う…才臥は、医療班の職員なんかじゃない」

「陸は…殆ど軟禁状態だったから知らないんだ」