いとしいこどもたちに祝福を【前編】

「さっき、陸と何の話してたの?」

――沢山の店舗が立ち並ぶ往来を歩きながら、夕夏がそう訊ねてきた。

「あ…何か私に、話があるんだって」

「話?あの場で立ち話じゃ済ませられないような?」

「うん、大事な話なんだって」

「へ~え」

探るような夕夏の視線に、慌てて首と手を全力で振って見せる。

「た…多分、夕夏が予想してるような話じゃないよっ?!」

「どうかな、わかんないよ~?あ、あの服、君に似合いそうじゃない?店の中も見てみようよ」

夕夏は機嫌良く少し先の店まで駆け寄っていった。

「あ、ちょっと待って…」

「晴海」

すると、ずっと黙ったまま付いて来ていた賢夜にふと呼び止められた。

「賢夜?」

「…陸は本当に君のことを大切に思ってるよ。秦の元から助け出したときも、自分のことより真っ先に君を心配してた」

「えっ……どうして、そんな…」

「うちの診療所にいるときとか、一昨日同じ部屋に泊まったとき、たまに陸と話をしてたんだ」

「…夕夏に、そう言われたから?」