――その後間もなく、船はゆっくりと大きな港に停泊した。
「さて、到着だね」
やっと船の操縦から解放された日野は、大きく背伸びをしながら皆に船から降りるよう促した。
「私は少し此処で一休みしてから街に向かう。君たちは先に行きなさい」
「それじゃあ、もう…」
「うむ。とっても名残惜しいがお別れだ、晴海ちゃん。また落ち着いたら、みんなと一緒に炎夏へ帰ってきておくれ」
全員が船から降りるのを確認しながら、船上に残った日野はにこりと笑った。
「はいっ…日野さん、此処まで本当に有難うございました」
「いやいや。それに陸くん、早くご家族が見付かるといいな」
「…はい、本当に色々お世話になりました」
何の何の、と言いながら日野は陸の肩を軽く叩いた。
「日野さん、戻りは一人だから気を付けて帰るんだよ?あと、道中退屈せずに済んで楽しかったよ」
「私も若い子たちと共に過ごすことが出来てとても楽しかったよ。仄さんや天地先生には、きちんとみんなを春雷まで送り届けたと伝えておくからね」
「うん。宜しくな、日野さん」
最後に賢夜が声を掛けると、日野は少し寂しげにもう一度笑った。
「ああ、行っておいで、子供たち」
・ ・ ・
「さて、到着だね」
やっと船の操縦から解放された日野は、大きく背伸びをしながら皆に船から降りるよう促した。
「私は少し此処で一休みしてから街に向かう。君たちは先に行きなさい」
「それじゃあ、もう…」
「うむ。とっても名残惜しいがお別れだ、晴海ちゃん。また落ち着いたら、みんなと一緒に炎夏へ帰ってきておくれ」
全員が船から降りるのを確認しながら、船上に残った日野はにこりと笑った。
「はいっ…日野さん、此処まで本当に有難うございました」
「いやいや。それに陸くん、早くご家族が見付かるといいな」
「…はい、本当に色々お世話になりました」
何の何の、と言いながら日野は陸の肩を軽く叩いた。
「日野さん、戻りは一人だから気を付けて帰るんだよ?あと、道中退屈せずに済んで楽しかったよ」
「私も若い子たちと共に過ごすことが出来てとても楽しかったよ。仄さんや天地先生には、きちんとみんなを春雷まで送り届けたと伝えておくからね」
「うん。宜しくな、日野さん」
最後に賢夜が声を掛けると、日野は少し寂しげにもう一度笑った。
「ああ、行っておいで、子供たち」
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