「――晴海、陸、そろそろ春雷の港に着くよ」
「あ…うんっ」
夕夏に声を掛けられて振り向くと、今度は西の海と空が夕陽の橙色に染まり始めていた。
「わあ…」
「連絡船くらい大きい船なら昼頃にはとっくに到着してるんだが…足の遅い船ですまないね、みんな」
夜明けからずっと休まずに船を走らせているのに、日野は申し訳なさそうに苦笑いを浮かべた。
「そんなことないです。ずっと頑張っててくれて有難うございます、日野さん」
「有難うっ!晴海ちゃんにそう言って貰えただけで、おじさん元気百倍になっちゃうっ!!」
日野のおっさん発言には見て見ぬ振りをしつつ、陸が心配そうに訊ねた。
「あの…貴方は春雷に着いたらどうされるんですか?」
「ん?戻りの燃料を確保し次第炎夏に帰るよ、嫁さんも待ってるしなあ」
「待ってなかったりして…」
「夕ちゃん酷っ!」
「で…でも今更ですけど、俺に関わったことが判ったら貴方や天地先生も罪に問われたり、なんてことには」
「ならないよ~?うちの倅、役人だもん。組織の上層部…と言いたいところだが、まあ中間管理職ってとこかね」
陸が少し不思議そう顔をしているので「役人の中でも偉い人のことだよ」と教えると納得したのか、取り敢えず頷いていた。
「倅は昨日非番だったんだが、急に招集が掛かってね。聞けば天地先生の診療所で見掛けた青年が関わってるようだから、急いで先生に連絡を取ったんだよ。君がまだ診療所にいると思ってたのでな」
そうか――だからすぐに賢夜が助けに来てくれたんだ。
「あ…うんっ」
夕夏に声を掛けられて振り向くと、今度は西の海と空が夕陽の橙色に染まり始めていた。
「わあ…」
「連絡船くらい大きい船なら昼頃にはとっくに到着してるんだが…足の遅い船ですまないね、みんな」
夜明けからずっと休まずに船を走らせているのに、日野は申し訳なさそうに苦笑いを浮かべた。
「そんなことないです。ずっと頑張っててくれて有難うございます、日野さん」
「有難うっ!晴海ちゃんにそう言って貰えただけで、おじさん元気百倍になっちゃうっ!!」
日野のおっさん発言には見て見ぬ振りをしつつ、陸が心配そうに訊ねた。
「あの…貴方は春雷に着いたらどうされるんですか?」
「ん?戻りの燃料を確保し次第炎夏に帰るよ、嫁さんも待ってるしなあ」
「待ってなかったりして…」
「夕ちゃん酷っ!」
「で…でも今更ですけど、俺に関わったことが判ったら貴方や天地先生も罪に問われたり、なんてことには」
「ならないよ~?うちの倅、役人だもん。組織の上層部…と言いたいところだが、まあ中間管理職ってとこかね」
陸が少し不思議そう顔をしているので「役人の中でも偉い人のことだよ」と教えると納得したのか、取り敢えず頷いていた。
「倅は昨日非番だったんだが、急に招集が掛かってね。聞けば天地先生の診療所で見掛けた青年が関わってるようだから、急いで先生に連絡を取ったんだよ。君がまだ診療所にいると思ってたのでな」
そうか――だからすぐに賢夜が助けに来てくれたんだ。


