「え?」

「俺たちの故郷を、そんな風に思ってくれて嬉しいよ。きっと姉さんも、君の言葉を聞いたら同じ気持ちになると思う」

「賢夜」

そう改まって言われると何だか気恥ずかしい気分になった。

故郷の判らない自分には、まだ賢夜の気持ちがよく理解出来ないが――

家族が見付かって故郷が判れば、自分の生まれた国には賢夜と同じような想いが芽生えるのだろうか。

「落ち着いたら、また炎夏に来てくれるか」

だけど今この瞬間は、そう言って貰えたことが嬉しくて。

自然とこんな言葉を口にしていた。

「うん。また、必ず――」





妬心の鉄鎖と颯鳴(そうめい) 終.