君が思うより、君はキレイ。

彼女は顔を上げて俺の目を見ると、安心したように肩の力を抜き、ゆっくり話し始めた。



「彼ね、製菓学校に通ってた頃、バイトしてたお店の常連さんだったの。甘いものが大好きで、一緒にケーキの食べ歩きしたり、試作品の味見してもらったり、パティシエやってて良かったなって思うことがいっばいあった。」

「.....そう。」

「毎週ピザ頼んでたのも彼がシーフードピザが好きだからなの。子供が甲殻類アレルギーで、家で食べられないって言ってたから。」

「.....尽くしてたんだ。」



彼女は黙って頷くと、涙をこぼした。

やりきれない思いで胸が熱くなる。